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雅やかなGold&Silver leaf 和紙バッグ
こんにちは。
東京和紙の篠田です。
この度、異業種の職人とのコラボレーションで新しい商品が誕生しました!
まさに東京と京都がタッグを組んだバッグです。
職人との出会いや商品誕生のきっかけ
今回コラボした職人とは3年位まえに私がワークショップに参加したのがきっかけでした。
その頃、私は市販されている友禅和紙を多く商品に使用していました。
金色塗料が刷られた友禅和紙は数多くあって人気も高かったです。
ただ、どんなにコーティングしても使用していくうちに金色がはがれて、緑色の下地が見えてしまう現象に悩まされていました。
どうにか防ぐことはできないかと方々調べていた所でした。
偶然に東京で金箔を使ったアクセサリー作りのワークショップを見つけ、飛び込んだのが知り合ったきっかけです。
それから時々お互いの仕事の情報交換をしたり、互いのワークショップに参加するなどしながら切磋琢磨し合う職人仲間になっていきました。
金箔押職人:藤澤のりふみ氏
プロフィールはこちら
1975年京都市生まれ。
1998年京都伝統工芸専門校卒業後、伝統工芸士で金箔押師岡本正治に師事。
以後弟子期間の17年間に様々な寺社仏閣、文化財、神輿や屋台、山車など修復の金箔押作業に携わる。
2015年独立。
弟子時代に教わった仏壇仏具の金箔押技術を生かし伝統工芸だけでなくホテルの
オブジェや国内外の芸術家による作品の金箔加工など幅広いジャンルで活動している。
今回の商品を作るきっかけは、サンプルを見せてもらったのがきっかけでした。
箔は基本的に金箔と銀箔の2種類しかありません。
それを酸化させて銅箔にしたり、色を着色するという技法はありました。
見せてもらったものはシャンパンゴールドに輝いていました。
金箔や銀箔の様なギラギラ感が抑えられてモダンな雰囲気を持っていたことにとても興味深く思えました。
ちょうど和紙でトートバッグや籠バッグのサンプル作りをしていたタイミングも合っていました。
すぐにサンプルを依頼し何度も試作を重ねてついに新商品が誕生しました。
Gold&Silver leaf 和紙バッグ誕生
写真は中サイズになります。
籠バッグがメインとなり、小サイズと中サイズを販売する予定です。
金箔銀箔だけではギラギラ感が半端ないですが、シャンパンゴールド箔風やベースの漆地が効いてモダンな仕上がりになりました。
こちらが小サイズになります。
サイズが小さくても重厚感は変わりません。
テーマは「洋服やドレスに似合う伝統工芸」です。
よって紐も光沢があるものを選び、紐の先端はタッセルでアクセントをつけました。
外国人の方々にも持って違和感がないものを目指しました。
下地の和紙は東京和紙
バッグの土台となる下地は、一閑張り(いっかんばり)で作られています。
竹を編んだ籠に和紙を何枚も幾重にも重ね貼り合わせいます。
もちろん、和紙は東京産の原料で手すきで作られた和紙です。
その和紙を一枚一枚手作業で丁寧に貼って下地を作ります。
柿渋を塗工
柿渋とは、まだ熟していない渋柿を発酵熟成させた天然塗料です。
防水、防虫、防腐効果など優れた効果を発揮します。
また、何回も塗ることで色がだんだん濃くなり、その後も太陽の光で色が濃くなっていきます。
籠バッグの内側にも柿渋が何回も塗られています。
漆加工
漆は「生漆(きうるし)」を使用しています。
漆の木からとれた樹液を
ゴミなどを取り除いて樹脂にしたもので、色はクリーム色に近く次第に茶色に変化していきます。
こちらも防腐、防水、防虫などの効果があるので、古来から愛用されている天然塗料です。
生漆(きうるし)は大変貴重な天然塗料です。
漆掻き職人の減少もあり国産漆の生産はこれからのどうなっていくか課題になっていきます。
皆さんが器などで見て漆のイメージは黒も赤を想像しますが、元々は生漆から出来ています。
それをかき混ぜたり着色してさらに粘りをつけて加工しているのです。
金箔銀箔
金沢で仕入れた金箔銀箔を散りばめた後、押さえて定着させていきます。
金箔は、10000分の一ミリの厚さ。
鼻息だけでも飛んでしまう繊細な作業で、そのまま四角い箔を置いて定着させるよりお数倍難しい作業を施しています。
最後の仕上げも漆
生漆(きうるし)は金箔を押す(はる)接着剤として使用するだけではありません。
コーティングとして金箔、銀箔が剥がれにくくするために擦り付ける技法もあります。
これを「摺りうるし」とも言います。
擦りつけることで、銀箔がシャンパンゴールドの様に変化していくのです。
このバッグでは銀箔の輝きも消さない為にあえて擦りつけていない部分もあります。
最近では、摺りうるしをすることにより防水防腐防虫などに加え環境にも優しいのではと再び見直されているそうです。
漆を塗ってしまったら1回目と同じく黒く変色してしまうのではないかと疑問に思われる方もいるでしょう。
実は、塗ったあとに綿で拭いているんです。
よって、変色作用が少なくてすみます。
また、量だけでなく湿度やふきかた、タイミングで色がかわっていく大変な技術が必要になります。
また、漆が乾いてしまったらもう変色はいたしません。
籠バッグだけでなくトートバッグも今後増やしていきたいと思っています。
完成するまでには、様々な天然の素材や塗料が使われ、様々な職人技が集まった商品となっております。
様々な技法はとても機械では作り出すことはできません。
一つ一つの作業に手作業ならではの技術が光っております。
今後、東京や京都という枠を超えて日本のブランド商品の一つとして広めていくのが目標です。
しばらくはオーダーメイドでご注文を承ります。
ご興味ある方は是非お問い合わせくださいませ!
<ご注意>
以前、店舗で商品を展示した際に漆アレルギーをお持ちのお客様が触るのをためらわれていました。
商品は完全に乾燥した状態で販売しております。
乾いた漆にはかぶれる恐れは少ないです。
ただし、独特な臭いが若干する場合がございます。
漆だけでなく、和紙、柿渋など天然の素材を使用しているため本来の臭いが気になる場合がございます。
予めご了承頂ければと思います。
もちろん、極力風通しをして臭いがしない様に気を付けます。