いよいよ体験も始まります。最初は楮(こうぞ)の表皮取り作業です。
和紙は木の皮から作られています。
しかも白皮しか基本的に使用しないため、表面などの皮を取り除く必要があるので、ヘラや包丁などで剥いていきます。
新型コロナウィルスの影響で、私が実際に作業をサポートすることは厳しいので、見本を見せながら体験頂いたので少々剥くのに苦労があったかもしれません。
体験にはありませんが、皮を剥いた白皮は3時間くらい煮て、傷やカスなどを取り除くちり取り作業が入ってきます
次は、繊維を細かくほぐす打解(だかい)作業になります。
本来は、もっと量があって大きな角材などで長時間叩きますが、体験用なので今回は木槌で叩いてもらっています。
いよいよ和紙作りの醍醐味ともいえる漉(す)き作業になります。
こちらも本来ならば、私がサポートとして一緒に手を添えて漉くのですが、それも厳しいので見本と口頭での説明で体験頂きました。
見本では、薄い和紙を漉く「流し漉き」を見せましたが、体験では厚い和紙を漉く「溜め漉き」を実践して頂きました。
漉く前は、緊張しているようでしたが、いざ体験してみるとうまく平均的に和紙が漉けました。
せっかくならば、好みの和紙を飾って可愛らしい和紙を作ってもらおうと小さく切った和紙を選んで好きな様に飾ってもらいました。
二人で相談しながらどれをのせるか、どこにおこうか飾り付けていきました。
水分の圧搾と乾燥はこちらで対応しました。
その場で持って帰れるように乾燥機を使って乾かしました。
これで体験としては終了となります。
実際に自分で作ってみて実物の手すき和紙に触れて彼女たちはどんな想いを持ったのでしょうか。
なぜ、和紙本来だけでなくかばんなどを作っているのかや、今後どうしていきたいかなどの質問を受けました。
今和紙に置いての現状を説明しながら、今後の目標や展望を説明しました。
また、実際あると嬉しいと思うロボットや機械を伝えました。
私が欲しいと思った機械は小型化されたものです。
現状和紙メーカーで使用されている機械はどれも大きくて高価格帯で当方では絶対使えません。
ただし、全てを手作業でやるのもそれはそれで大変です。
手すき和紙は、機械すき和紙とは違う味わいがありますし、バリエーションも豊富です。
コンパクトな機械があれば、今後和紙作りをしたいという方々にも良いアプローチにもなると思います。
現在、手すき和紙産業は減少の一途をたどっています。
今後はスリム化は必須になると私は考えます。
小回りが利く機械があれば、小さな和紙メーカーを増やすこともできれば、需要と供給のバランスも良くなるようにざっくりですが思っています。
彼女たちがどんな機械やロボットを開発してくれるか楽しみですね。
最後になりましたが、彼女たちがレポート動画を作成してくれました。
彼女たちの感想なども収録されています。
https://www.youtube.com/watch?v=OMHhnOjp0_I&t=7s
なお、和紙見学のご希望は予約制となっております。
ご希望の方は、問い合わせフォームよりお問い合わせくださいませ。