サッポロビールオンラインイベントに東京和紙が採用されました

こんにちは。 ショップ「和紙ラボTOKYO」を運営する東京和紙の篠田です。 2021年9月5日に開催されたサッポロビール「おうちオクトーバーフェスト2021」に東京和紙が採用されました。 このイベントは、クラフトビールの「SORACHI1984」の誕生祭がメインとなっています。 東京和紙は、ビールに使用されているホップ「ソラチエース」入りの和紙作りで携わりました。 どんな和紙で、どんなイベントでどのように発表されたかをご紹介します。
ソラチエースとは?
アロマホップの一種で、1984年北海道空知郡で開発された品種だそうです。 詳細はこちら。
おうちオクトーバーフェスト2021
毎年9月5日にこのソラチエースが誕生したことを祝う誕生祭が行われています。 今回はサッポロビールさまだけでなく、他のソラチエースの商品を作っていらっしゃる酒造さまとのコラボもされていました。 イベント風景はこちらからご覧ください。
ソラチエース入り和紙
今回は、イベントの制作会社からお声をかけて頂きました。 以前に当方の和紙をご購入いただいたのと、6月に放送された「ぶらり途中下車」をご覧になって思いついたそうです。 今回、ソラチエースがチップになった状態で和紙作りがスタートしました。 初めて携わる素材のため、まずはサンプルを作ってご判断いただきました。 A5サイズで和紙を漉き、色合いや厚みなどをチェック頂きます。 他の素材でもオーダーを頂いた際は、小さなサイズでサンプルを作って確認いただくことを先方さまにはご了承いただいています。 チェックを頂き、もっと厚みがあっていろんな色合いのものが欲しい、できれば香りを残して『遊び』がある和紙を作ってほしいとのことでした。 この遊び部分がちょっと難儀でした。 どのように使われるか用途は知っていたので、それに対応できて、自己満足にならないようにするにはどうすればよいかを漉いては戻してを繰り返しました。 ソラチエースを溶かした中に原料を入れて染めたものや漉く際に砕いたソラチエースをふりかけてみたりなどなど考えられる手法で作ってみました。 原料もいくつかの方法で下準備したものを使用しました。 香りも活かすようにしていたら、制作終わってもしばらく工房内に残っていました…。 色止めに薬品などを一切使用していないため、退色のスピードも速いです。 無地の和紙を干す場合は、紫外線に当てて自然漂白しますが、今回は室内干しで風通りのよくしました。 ちょうど雨が降っている日が多かったので、助かった部分もありますが、湿気が多くてなかなか乾燥には時間がかかりました。 ちょうと制作時期が8月の中旬で湿気が強かったので、あまり和紙作りには向かない時期ともいえます。 なんとかいろんな種類を完成されることができました。 想定した通りではなく、偶然に出来上がったという方が正しいです。(;^_^A 制作動画もアップしているのでそちらもご覧いただけると嬉しいです。
実際のイベントでは
イベントでは、この和紙に書をされると伺っていました。 サイズはA4サイズで納品だったので、どんな風に書かれて紹介されるか気になります。 屏風に和紙を切って貼り合わせていました。 これは、ソラチエースをデザインしているみたいですね。 他にもブロッグ状に貼り合わせていました。
作品完成
イベント冒頭にパフォーマンスをされていたので、この立派な作品が終わりまで飾られていました。 全国の皆様に和紙を観て頂き、そして知って頂けたことはとても感無量でした。 「この和紙が欲しい」というコメントも頂けて、携わることができてやりがいを感じました。 イベントはオンラインだったので、ぜひ実物を観たいですね。 今度は、全面にソラチエース入りの和紙に書いて頂きたいものです。
最後に
今年から作り始めた野菜入り和紙がいろんな方面で活躍してくれてとてもうれしいです。 今後も研究を続けて新たな和紙を誕生されていく予定です。 また、自分のところで育てた植物入りの和紙が欲しいという方も気軽にお問い合わせいただけると幸いです。 化学漂白をしていない植物本来の色をした和紙原料に野菜や果物のみの色で染めた和紙はどれも温かみのある色合いやほんのり香りがする和紙となっています。 薬品による色止めをしていないため、自然に退色もしていきますが、全くの無地になるわけでないのでその変化も楽しんで頂きたいと考えています。 今後もいろんな人に知って頂き、手にとっていただけるようにアピールしていきますね。