当初は土いじりや虫が苦手な子供たちも多く、なかなか作業が進まない部分もありました。
しかし、新芽がでて若葉が出て花や実が成長するにつれて皆興味を持って作業に精を出しました。
11月の収穫では、皆夢中になって我さきにトロロアオイの長い根っこを傷付けないように掘っていました。
そして今回は、楮の苗も初めて植えてみんなで成長を見守りました。
半年以上の前のことだったので、ほとんどの子供たちの回答は残念ながら間違っていました。
なのでもう一度和紙は何から作られているか、いつ頃作られるようになったかなどをおさらいをしました。
そして、道具の紹介もしました。
和紙や原料だけが手仕事で作っているわけではありません。
和紙を作るのに必要な道具も職人さんの手仕事で作られています。
今回は和紙をすくのに必要な簀桁(すげた)という道具の編み機を紹介し、
簀を糸で編む部分をレクチャーしました。
子供たちも初めて見る道具だったので細かい部分までじっくり見てくれてました。
②こうぞの白皮の傷やカスをとる「ちりより」体験、
③こうぞの白皮を叩く「打解(だかい)」体験、
④和紙をすく「すき」体験
を体験していきます。
④の和紙すき体験では、「溜めすき」というやり方で和紙をすいていきました。
今回、和紙すき以外の作業の説明は当日集まって頂いた保護者の皆さまが子供たちにご指導頂きました。
(子供たちが座学をしている間に作業の仕方をレクチャーして覚えて頂きました)
それぞれの体験には時間を割りふって予定時間が終了したら次の工程にどんどんまわるように進めていきました。
子供たちも保護者の皆さまもどの作業も初めての作業ばかりなので、熱中してあっという間に時間が過ぎていきました。
和紙の原料はほぼ学校で育てたり自生していたものを使用しています。
これはこの学校ならではの貴重な体験になると思います。
トロロアオイは和紙をすく際に使用する大事な植物です。
叩いた原料のこうぞの皮は重いため、水の中にいれると水の底に沈んでしまいます。
こうぞの皮が水の底に沈んだ状態だと和紙をすくことはできません。
こうぞの皮が和紙を作るうえで重要な繊維だからです。
こうぞの皮を水の底にしずませることなく浮遊させるためにトロロアオイの根っこの粘りが必要になります。
このトロロアオイの根っこの粘りのことを「ネリ」といいます。
今年育てたトロロアオイもとっても大きく育ったので、ネリ(粘り)もそれはすごい、素晴らしいものでした。
ネバネバにはみんな大はしゃぎ。
中にはこのネバネバを嫌がる児童もいましたが、多くの児童がネバネバをいつまでも楽しくさわっていました。
キラキラ子供のような瞳でお子さん以上に楽しんで和紙すきをしている様子でした。
先生も体験頂き、楽しそうなご様子でした。
これで全行程が終わり、3回目の和紙すき体験を無事に開催することができました。
すいた和紙は東京和紙の職人が教室に干して乾燥させます。
和紙が乾いたら、今度は生徒たちが自分たちではがします。
どの子供たちもとってもきれいな和紙が完成しました!