0501浅草神社社子屋和紙すき体験大盛況!

みなさん、こんにちは。 東京和紙の篠田です。 今回の記事では5/1に開催された浅草神社社子屋(やしろこや)での和紙すき体験の模様をご紹介させてください。 沢山の方に和紙すきを体験して頂くことができ、東京和紙としても大変充実したワークショップとなりました。
2018年5月1日(火)に浅草神社さまの社子屋にて「和紙すき体験」を開催いたしました!

社子屋とは?

社子屋とは、 『日本伝統文化の継承を目的に社務所を定期的に開放し、神道や神社そして御祭礼をはじめ、我が国古来の大切な伝統文化や古き良き風習、更には伝統芸能・工芸等を広く学ぶと共に、知識や教養を身に付ける貴重な機会です。 子供から大人までどなたでも参加できます。 世代間の交流も図りながら、次世代への担い手として一緒に学んでいきましょう。』 というものです。 (浅草神社HPより参照) 今回のワークショップは、5月1日という平日、しかもゴールデンウィークの間の平日だったので参加者は少ないと当初伺っていました。 ふたをあけてみると、当日は50名以上の方にお集まり頂きました。
禰宜からご挨拶

今回の内容は?

5月の社子屋では、和紙すき体験とお祭りのお話の2本立てでした。 先に和紙すき体験から始まりました。
自己紹介
最初に自己紹介をさせていただき、東京和紙という団体がどんな活動をしているかを説明させてもらいました。 次に和紙とはどういうものか、どんな原料から作られているかなどを簡単に説明しました。
和紙の原料の説明
参加されている方の半分くらいの方は和紙すき体験が初めてでした。 参加されている方に質問しましたが、和紙がどの植物から出来ているかを知っている人はごくわずかでした。 (和紙は中国からやってきたという説明には会場全体が驚いていました) もっともっといろんな人に和紙のことをつたえなければならない、と思う瞬間でした。 (和紙のはじまりについてはこちらをご覧ください)

ゲーム大会開催!

普通に説明して聞いてもらうよりもみなさんにさらに興味を持って参加していただきたいと思っていました。 そのため、今回はゲーム大会を企画しました。 和紙を漉(す)くには原料を加工し、やっと漉(す)くことができます。 原料の加工過程をゲームという形で体験してもらいました。 (和紙を作る工程はこちら) 1つ目のゲームは、「表皮とりゲーム」です。 「表皮とり」とは、三層になっている楮(こうぞ)の皮をはいでいき、中の白皮のみとする作業です。 いかにスピーディーに綺麗に白皮のみにするかが勝負です。 4名の方が名乗りを上げ、ゲームがスタート! 初めて体験する方が大半で、焦ってなかなかうまく表面の皮をはいでいくことができません。 たくさんの観客に見守られながらのゲームのため、参加者も緊張されているご様子。 その中でも優勝されたお父さんは、2本も綺麗に剥くことができました。
表皮とりゲーム
ゲームの後、実際に職人がやるとどうなるかの実演を行いました。
職人による実演
するするっと短時間で綺麗に白皮にしていく様は皆さん感心されていました。 職人がやれば簡単に見えることでも初めての方がやればうまくいかないことが普通です。 ゲームを見ていただくことで表皮を取るのも簡単にできないことをご理解していただけたと思います。 第二回目のゲームは、ちり取り&打解(だかい)ゲームです。
ちりよりゲーム
白皮になった楮を柔らかく煮たものを用意し、傷やカスを取り除いてそれから叩いて繊維を細かくほぐれるかを競います。 このゲームは、子供も参加OKです。 大人も参加してくれる中、たった一人小さな女の子が手をあげてくれたので、私が助っ人に入ります。 白皮の状態がそれぞれバラバラのため、早い人遅い人が出てきます。 でも早く叩けたとしても綺麗に繊維がほぐれていないとNGです。
打解ゲーム
  みなさん、慎重にまんべんなく叩いております。 優勝したのは、写真真ん中の黒い眼鏡をかけた女性でした。 だれが見てもわかるほど、他の皆さんとは明らかに繊維が細かくほぐれていました。 第一回目の優勝者お父さんと第二回目の優勝者の女性には優勝賞品として今回のイベントの為に作られた和紙のちびがま口をプレゼント!
ちび和紙がま口(絵柄は内緒)
柄には、浅草神社に関連するデザインが入っています。 何度も何度も禰宜の方と相談して許可を頂いた上で作ったデザインです。 たった一人手をあげてくれた女の子にも特別賞としてプレゼント! 参加頂いた皆様には、これまた非売品の浅草神社おみくじ入りの和紙栞をプレゼントさせて頂きました。 みなさん、大変喜んでいただき、作った甲斐があったと感じた瞬間でした。

全員で和紙すき体験

盛り上がったゲーム大会の後は、参加者全員で和紙すき体験です。
全員で和紙すき体験
今回は、葉書サイズ2枚を同時に漉(す)いて頂きました。 みなさん、どうやって漉くのか興味深々で前の方の工程をジッと見ていらっしゃいます。 あれだけ硬かった楮(こうぞ)の白皮が綿毛の様にふわふわとなり、さわった感触も新鮮に感じられたようです。
子供も体験
最初に、お子さまたちが和紙すき体験をします。 和紙を漉(す)いた後、不織布に漉(す)いた和紙を乗せて、水気を取り机の上に和紙をのせていきます。 子供だけでなく大人も真剣に和紙を漉(す)いています。
干すのも自分たちで行います
通常の東京和紙のワークショップでは、乾燥機にて乾かしてその場でお持ち帰りしていただいています。 今回は参加人数が多かったこと、神社様の要望で、机の上に干して自然乾燥させていきました。 漉(す)いた和紙を刷毛を使って机に乗せていくまで自分たちでやって頂きました。

東京和紙商品も展示販売しました

和紙すき体験だけでなく、東京和紙が制作して販売している商品も展示させて頂きました。 和紙の原料でもある楮(こうぞ)の葉っぱ入りの葉書や、浅草神社のおみくじ入り御朱印帳、和紙で作ったトートバックや一閑張りかばんなどを展示させてもらいました。 「ずっと気になっていた和紙トートバックや一閑張りのかばんを実際に触って見れて、ますます欲しくなりました」 という嬉しいご感想を頂きました。 もっともっとバリエーションを豊富にしてご紹介できるよう、頑張ります。

飯田水引おみくじも販売

今回、プロジェクトに協力した法政大学酒井ゼミの学生が作った「飯田水引おみくじ」をあわせて販売させて頂きました。 学生から、飯田市とはどこにあるのか、どういう想いでこのおみくじを作ったのかなどを直接説明してもらいました。 飯田水引にも沢山の方に興味を持って頂きご購入頂けたこと、本当に感謝しております。

最後に

和紙すき体験がかなり盛り上がってしまい、大幅に時間が伸びてしまったため、次の話の木やりのお話や宮神輿三基の特別拝観が予定時間よりも大幅に短くなってしまいました。 申し訳ありませんでした…。
お正月に公開された神輿
今回初めてゲーム形式を取り入れ、通常のワークショップとは違う内容にしてみました。 本来は職人が毎日の様にやる作業ですが、参加した方に少しでも楽しく興味を持って「和紙が作られていく工程」を知って頂き、今後も長く和紙のことを愛用して頂ければ幸いです。 次回の浅草神社での和紙すき体験は、7月の夏詣の予定です。 詳細が分かりましたらまたご案内させて頂きますね。