0201明星小学校での和紙すき体験は皆夢中でした!

みなさん、こんにちは。 東京和紙の篠田です。 今回の記事は先日開催された小学校での和紙すき体験の模様をご報告させてください。

明星小学校での和紙すき体験

東京都府中市にある明星小学校での和紙すき体験は今回で3回目になります。 1回目の和紙すき体験授業は2017年1月、3年生を対象に開催させて頂きました。 体験授業で体験することは和紙をすくことだけではありません。 和紙の原料でもある楮(こうぞ)の皮を剥いたり、叩いたりなどの体験も同時に行いました。 子供たちも興味深く作業に集中し、予想以上に楽しく体験頂けました。 2回目は、2018年2月、1回目に体験した4年生が2年生に和紙すき体験を直接指導するという今までにない試みをしました。 当日の会場風景はこちらをご覧ください。 今年は、2019年2月1日に4年生が初めて和紙すき体験を行いました。

自分たちで原料を育てる

昨年も行ったのですが、今年も子供たちが自らの手で原料を育てることになりました。 2018年6月に和紙すきに大事なトロロアオイの小さな苗をみんなで畑に植えました。 当初は土いじりや虫が苦手な子供たちも多く、なかなか作業が進まない部分もありました。 しかし、新芽がでて若葉が出て花や実が成長するにつれて皆興味を持って作業に精を出しました。 11月の収穫では、皆夢中になって我さきにトロロアオイの長い根っこを傷付けないように掘っていました。 そして今回は、楮の苗も初めて植えてみんなで成長を見守りました。

今回の意向

和紙すきを通して日本の伝統的文化に触れてその良さを子供たちに感じてもらうことも大事です。 しかし今回は、もう一つ目的がありました。 子供たちが自分ですいた和紙を近くの人に贈ることで周りの人に喜んで頂くということで葉書サイズをすくことに決めました。

座学でおさらいと道具の説明

実技する前に教室で和紙について子供たちに説明しました。 このプロジェクトが始動する前に一度子供たちには説明したのですが、再度おさらいも含めてクイズ形式で和紙について質問しました。 半年以上の前のことだったので、ほとんどの子供たちの回答は残念ながら間違っていました。 なのでもう一度和紙は何から作られているか、いつ頃作られるようになったかなどをおさらいをしました。 そして、道具の紹介もしました。 和紙や原料だけが手仕事で作っているわけではありません。 和紙を作るのに必要な道具も職人さんの手仕事で作られています。 今回は和紙をすくのに必要な簀桁(すげた)という道具の編み機を紹介し、 簀を糸で編む部分をレクチャーしました。 子供たちも初めて見る道具だったので細かい部分までじっくり見てくれてました。

和紙すき体験実技スタート

座学が終わり、いよいよ和紙作りがスタートです。 5~6人のグループ4つに分かれて、 ①こうぞの外皮をむく「表皮とり」体験、 ②こうぞの白皮の傷やカスをとる「ちりより」体験、 ③こうぞの白皮を叩く「打解(だかい)」体験、 ④和紙をすく「すき」体験 を体験していきます。 ④の和紙すき体験では、「溜めすき」というやり方で和紙をすいていきました。 今回、和紙すき以外の作業の説明は当日集まって頂いた保護者の皆さまが子供たちにご指導頂きました。 (子供たちが座学をしている間に作業の仕方をレクチャーして覚えて頂きました) それぞれの体験には時間を割りふって予定時間が終了したら次の工程にどんどんまわるように進めていきました。 子供たちも保護者の皆さまもどの作業も初めての作業ばかりなので、熱中してあっという間に時間が過ぎていきました。 和紙の原料はほぼ学校で育てたり自生していたものを使用しています。 これはこの学校ならではの貴重な体験になると思います。 トロロアオイは和紙をすく際に使用する大事な植物です。 叩いた原料のこうぞの皮は重いため、水の中にいれると水の底に沈んでしまいます。 こうぞの皮が水の底に沈んだ状態だと和紙をすくことはできません。 こうぞの皮が和紙を作るうえで重要な繊維だからです。 こうぞの皮を水の底にしずませることなく浮遊させるためにトロロアオイの根っこの粘りが必要になります。 このトロロアオイの根っこの粘りのことを「ネリ」といいます。 今年育てたトロロアオイもとっても大きく育ったので、ネリ(粘り)もそれはすごい、素晴らしいものでした。 ネバネバにはみんな大はしゃぎ。 中にはこのネバネバを嫌がる児童もいましたが、多くの児童がネバネバをいつまでも楽しくさわっていました。

保護者も和紙すき体験

子供たちの和紙すき体験が終わったら、次は保護者の皆さまも希望の方には和紙すき体験に参加頂きました。 キラキラ子供のような瞳でお子さん以上に楽しんで和紙すきをしている様子でした。 先生も体験頂き、楽しそうなご様子でした。 これで全行程が終わり、3回目の和紙すき体験を無事に開催することができました。 すいた和紙は東京和紙の職人が教室に干して乾燥させます。 和紙が乾いたら、今度は生徒たちが自分たちではがします。 どの子供たちもとってもきれいな和紙が完成しました!

最後に

今回は、「自分達で一から作ったものをきちんと活用する」が目的でした。 学校での職業体験や技術体験はどうしても生徒たちが情報をインプットすることばかりです。 全て大人が準備された中で子供たちが体験をただやるだけでは、 情報が一方通行になってしまいます。 今回は、原料を自分達で作り、経過を観察し、それを使って物を作り、それを活用するという一貫の流れを通して子供たちそれぞれがいろんなことを感じて頂けたと思います。 子供たちだけではなく大人も同じです。 職人の技術を知るだけでなく物の大切さを改めて知って頂けたと思います。 どういうものから作られて、どういう風に作って、どう使われるかの全てを学べる貴重な体験になったと自負しております。 現代では使い捨ての無機質なものばかりに取り囲まれています。 その中で手間暇かけた物の価値を知る一つのきっかけになれたらうれしいです。 最後になりましたが、当日お手伝い頂いた保護者の皆さま、また事前の準備などにも忙しい中対応頂いた先生方には大変感謝しております。 学校側のご協力がなければ、無事に開催することはできませんでした。 本当にありがとうございました。 今後も様々な新しい取り組みを継続し、様々な学校でも開催できる様に取り組んでいきたいと思います。